Michael McDonaldと並ぶ、The Doobie Brothersの看板シンガー&ギタリストのソロ作。いかにもAORアルバムっぽいジャケットが気に入っているが、中身はややロック寄り。それでも、④Why You Givin' Upや⑨Sue Sadなど、AORらしいサウンドを楽しめる。そして本作にはなんと、The Chi-Litesのカバー曲Have You Seen Herが収録されている。原曲の明るく穏やかな雰囲気をそのまま生かし、柔らかいギターのアレンジも合っていて、良い感じ。
Smooth Soul Sauce
Sunday, May 4, 2025
Patrick Simmons - Arcade (1983)
Monday, April 28, 2025
The Chi-Lites - Give More Power To The People (1971)
Listen (Have You Seen Her)
(Full Album)
前回の記事で紹介したEugene Recordを擁するシカゴの名ヴォーカル・グループChi-Litesの71年作。このアルバムの4曲目に収録されている甘茶ソウル・クラシックHave You Seen Herは、私が常に愛聴してきた一曲。グループの個性が光る、明るく晴れやかなコーラスがぐっと心を掴む。様々なアーティストにカバー&サンプリングされ、エヴァーグリーンな魅力を放つシカゴソウルの名曲。
Thursday, April 24, 2025
Eugene Record - The Eugene Record (1977)
前回に引き続き、春を感じるアルバム。こちらはシカゴのヴォーカルグループThe Chi-Litesのリードシンガー、Eugene Recordによるソウルの傑作。全体を通してのどかな雰囲気。特に、4曲目Overdose Of Joyの解き放たれたような爽快なメロウグルーヴや、6曲目Mother Of Loveでは甘く切ないエレキシタールのイントロから繋がる、ソフト&スウィートなヴォーカルが味わい深い。8曲目は美しいピアノとEugene Recordのハイトーンボイスがよく合う夢心地のバラード名曲。
Sunday, April 13, 2025
Marc Jordan - Mannequin (1978)
春の暖かなのどかさを感じるAOR作品。スティーリー・ダンに通じる洒落たメロディと上品な演奏とともに、アルバム全体で感じられるゆるさがとても心地よい。冒頭のSurvivalからJungle Choirの流れが最高。そしてセンチメンタルな歌詞に強さと優しさが同居する5曲目のRed Desertも良い。参加ミュージシャンも豪華で、David FosterやTOTOのメンバーが入っているのも嬉しい。
Sunday, April 6, 2025
PJ Morton - Gumbo Unplugged (2018)
2012年にMaroon 5に鍵盤奏者として加入したPJ Mortonによるライヴ作品。2017年にグラミー賞2部門にノミネートされた自身のアルバム"Gumbo"から曲順を変えて、NYの名レコーディング・スタジオにて一発録りをしたもの。元々ライヴ・アルバムはあまり積極的に聴くほうではなかったが、このアルバムに収録されているBee Geesのカバー曲How Deep Is Your Loveを聞いて考え方が変わった。余計な力を抜いてメンバー全体で音を楽しむリラックス感はライヴ・セッションならではで、とにかく美しく格好良いサウンド。2017年のアルバム版よりもこちらのアコースティック・アレンジのほうが好みかも。Ed Sheeranとの共演の経験もあるYebbaもデュエットで素晴らしいボーカルを披露している。
Monday, February 24, 2025
Bruno Mars - 24K Magic (2016)
80年代後半から90年代のファンク、R&B、ニュー・ジャック・スウィングの影響を色濃く受けた、華やかでノスタルジックなサウンドが特徴のアルバム。5曲目の甘く官能的なバラードVersace On The Floorは、こちらの記事で紹介したような80年代後期のハッシュ・サウンドを彷彿とさせる。歌詞も"Rock Me Tonight"そのままの世界観。key.には80年代の売れっ子鍵盤奏者Greg Phillinganesを起用するこだわりよう。こういうサウンドを掘り起こして現代にも通用すると示したことこそ、Brunoの功績だと思っている。
Saturday, February 22, 2025
Freddie Jackson - Rock Me Tonight (1985)
Bruno Marsの"24K Magic"に収められているVersace On The Floorというバラードのモチーフになったとも言われるのが、このFreddie Jacksonのデビュー作に収録されている80年代後期のスロージャムの傑作Rock Me Tonight (For Old Times Sake)という曲。制作はニューヨークを拠点としたハッシュ・プロダクションで、こちらのMVの通り、都会の夜の雰囲気漂うゴージャスなサウンド。この曲の大ヒットによってFreddie Jacksonは一躍スターとなった。このほか、アルバムの大半を手掛けたBarry EastmondによるLove Is Just A Touch Awayや、ジェントルな雰囲気のバラードYou're My Ladyも良い。80年代ブラック・コンテンポラリーの黄金期を象徴する一枚。
Tuesday, February 18, 2025
Giorge Pettus - Same (1987)
Giorge Pettusの87年の1stアルバム。ハッシュ・サウンドの影響を強く受けた都会的なブラック・コンテンポラリーの隠れた名盤。洗練されたプロダクションと甘美なメロディが際立つ、80年代後半のクワイエット・ストーム系の良質なスロー、ミディアムを多数収録している。1曲目のMy Night For Loveはこの時代でベストと言ってもよいバラードで、個人的にも大好きで5本の指に入る名曲。耳に残る煌びやかなイントロに始まり、ドラマティックに展開する円熟したサウンドを聴かせてくれる。2曲目のCan You Waitや6曲目のYou're Perfectの奥深いヴォーカルも素晴らしい。
Sunday, February 16, 2025
James Robinson - Guilty (1987)
Changeのボーカルとして活躍した実力派ソウルシンガーJames Robinsonの87年作。パワフルなシャウトも交えながら、繊細なヴォーカルコントロールで、バラードも甘く情熱的に歌い上げる。Change時代に引き続き、Barry Eastmondが多くの曲で鍵盤を担当するほか、ハッシュ録音に多く関わったギタリストのFareed(Najeeの兄弟)がプロデュースを担い、アルバム全体で煌びやかなNYサウンドが聴ける。1曲目のスロー、Can We Do It Againは圧巻の出来で、そこから5曲目のSeems So Long(Stevie Wonderカバー!)までのバラード曲の流れが素晴らしい。アーバンなミディアムナンバーA Kind Of Loveもイントロから完璧。
Wednesday, February 12, 2025
Change - Sharing Your Love (1982)
イタリア出身のファンク/ディスコユニットChangeによる80年代NYサウンドの定番。アメリカのファンクバンドに比べると、美メロが前面に押し出されていて、タイトなグルーヴに乗せたお洒落なサウンドが満載。リバーブの効いたさりげないギターのカッティングや電子音など、音の空間的な広がりがリズムに柔らかいニュアンスを加えている。リードヴォーカルを担うJames Robinsonの声も相性抜群。1曲目のThe Very Best In Youは彼らならではのサウンドが存分に感じられる本作のベストナンバーだが、個人的には4曲目のPromise Your Loveの静かな中での煌びやかさもお気に入り。
Saturday, February 8, 2025
The Whispers - Same (1979)
ディスコブームの終焉とともに80'sダンスフロア向けのサウンドへの転換を図ったThe Whispersの79年作。このグループの魅力は、双子のスコット兄弟による息ぴったりの安定感をもったツインリード。小柄でチャーミングなスコット兄弟がステージの両サイドに立ち、中央で華麗にステップを踊る高身長のメンバーがステージ映えするフォーメーション。癖のない明るいヴォーカルが、SOLARレーベルの有力サウンド・クリエイターLeon Sylvers IIIのポップセンスと調和したのが、5曲目のAnd The Beat Goes Onという一曲。Welcome Into My Dreamのようなバラード曲で見せる甘いボーカルも彼らの持ち味。
Thursday, January 30, 2025
Shalamar - Friends (1982)
ソロで成功したHoward HewettとJody Watleyが在籍していたソウル/ディスコグループの82年作。プロデューサーはSOLARレーベルの人気プロデューサーLeon Sylvers IIIで、他のファンク系アーティストにはないポップのエッセンスを兼ね備えた、80年代ソウル&ファンクの黄金期を象徴する名盤。1曲目のA Night to Rememberは、キャッチーなメロディとグルーヴ感が印象的で、ディスコファンにとっても欠かせないアンセム。他にも、キレ味鋭いカッティングがリードする9曲目のThere It Isなど、好曲が多い。Jeffrey Danielはマイケル・ジャクソンの振付師としてムーンウォークを伝授したことでも有名になった。
Saturday, January 25, 2025
Stanley Clarke - Time Exposure (1984)
Listen (Heaven Sent You Acoustic ver.)
(Full Album)
Howard HewettのボーカルをフィーチャーしたミディアムフローターHeaven Sent Youを含むアルバム。前回の記事のコメント欄で教えてもらったアコースティック・バージョンのライブセッション映像が素晴らしすぎるのでシェア。盟友George Dukeがピアノを演奏し、Stanleyのベースは控えめながらも曲の骨格をしっかりと支える。力の抜けた雰囲気の中で見せる技術の高い演奏テクニックは見物。ソウルフルで情感豊かなHoward Hewettのハイトーンボイスも心地よい。体が疲れたときに、すーっと染み渡る名演。
Saturday, January 18, 2025
Howard Hewett - I Committ To Love (1986)
2. I'm For Real
3. Last Forever
4. I Commit To Love
5. In A Crazy Way
6. Love Don't Wanna Wait
7. I Got 2 Go
8. Eye On You
9. Let's Try It All Over Again
10. Say Amen
人気ソウル/ディスコグループShalamarからソロシンガーとして独立したHoward Hewettのデビュー作。George DukeやStanley Clarkeがプロデューサーとして参加、アップテンポのダンサブルな曲から、スローバラードまでバランスよく収録されている。特に2曲目のI'm For Realはイントロから完璧で、聴き手を包み込むような柔らかく温かい80年代サウンドが楽しめる。
Tuesday, January 14, 2025
Jeffrey Osborne - Same (1982)
ファンクバンドL.T.D.出身のJeffrey Osborneによる82年のソロデビュー作。前回の投稿(こちら)で紹介したThe Controllersに負けないくらいの爽快ミッドナンバーが、このアルバム4曲目のOn The Wings Of Love。流麗なピアノイントロに始まり、様々な楽器のアレンジが光るポップ寄りのアダルトコンテンポラリー。温かみがあり繊細な表現力をもつジェフリーのボーカルは、3曲目のI Really Don't Need No Lightでも非常に心地よい。アルバムを通してGeorge Dukeプロデュースで、ハズレのない一枚。これをきっかけにソロで成功、85年にはWe Are The Worldに参加している。