ファンクバンドL.T.D.出身のJeffrey Osborneによる82年のソロデビュー作。前回の投稿(こちら)で紹介したThe Controllersに負けないくらいの爽快ミッドナンバーが、このアルバム4曲目のOn The Wings Of Love。流麗なピアノイントロに始まり、様々な楽器のアレンジが光るポップ寄りのアダルトコンテンポラリー。温かみがあり繊細な表現力をもつジェフリーのボーカルは、3曲目のI Really Don't Need No Lightでも非常に心地よい。アルバムを通してGeorge Dukeプロデュースで、ハズレのない一枚。これをきっかけにソロで成功、85年にはWe Are The Worldに参加している。
Smooth Soul Sauce
Tuesday, January 14, 2025
Jeffrey Osborne - Same (1982)
Monday, January 6, 2025
The Controllers - Same (1984)
年の初めなので、スカッと気分が晴れるような爽やかなミッドナンバーを。1曲目のCrushed、イントロのハーモニカに聞き覚えがあると思ったら、なんとStevie Wonderが参加(!)。全体的に綺麗なピアノの音色が突き抜けるバラードが多く、Nick Johnsonという人物がピアノを担当したスローが素晴らしい。先述のCrushed、6曲目のI Wanna Be Yours、7曲目のLeaving Meがそれ。3曲目のJust For YouもこのNick Johnsonがプロデュースした曲で、80年代らしい程良い浮遊感でゆったりとリラックスできる一曲。
Thursday, December 26, 2024
Lionel Richie - Can't Slow Down (1983)
Lionel Richieのソロ2作目にして最も成功し、彼に不動の人気をもたらしたアルバム。ポップバラードのPenny Loverやカントリー調のバラードStuck On Youなど、ソウルから離れた作風も多いが、カントリーなど聴かない私でも好きになって何度も聴いてしまうような、普遍的なメロディーのセンスには脱帽。6曲目のThe Only OneはなんとDavid Fosterとの共作だが、一流のヒットメイカー同士、サウンドを潰しあうことなく調和しているのがすごい。
Sunday, December 22, 2024
David Foster - River Of Love (1990)
Listen (Grown-Up Christmas List)
(Full Album)
今年のクリスマスはこれ。6曲目のGrown-Up Christmas Listはいろいろなカバーが存在するが、やはりオリジナルのNatalie Coleによるボーカルが一番良い。そして、David Fosterの優雅なピアノアレンジが天才的。さらに、David Fosterの多くの楽曲でリードボーカルを担当し、絶賛するファンが後を絶たない故Warren Wiebeの唯一無二の伸びやかな歌声が、このアルバムでもいくつかの曲で聴ける。中でも彼の歌うThis Must Be Loveは、至福の時間をもたらしてくれる。
Thursday, December 19, 2024
Whitney Houston - Whitney (1987)
Whitney Houstonの2作目。世界中で大ヒットした1曲目のイメージがあまりに強いが、バラードの佳曲も多く収録されていて意外とまったり聴ける。前作から引き続きのMichael Masserの安定のバラードや、Preston Glass作の美メロもよいが、個人的なこのアルバムの白眉は、Sam Deesが作曲し、The Manhattansも83年作でやっていた2曲目、Just The Lonely Talking Againと、Kashif作のWhere You Are。特に後者は、イントロから何から私の好きな音だらけで心が躍る一曲。
Tuesday, December 10, 2024
The Manhattans - Forever By Your Side (1983)
The Manhattansによる、シティソウルの魅力が詰まった83年のアルバム。80年代NYサウンドの要となったMighty M ProductionsのMorrie Brownがプロデューサーに名を連ね、さらにダンストラックではTwennynineのSkip Andersonが指揮をとった、軽快なグルーヴ感と煌びやかなシンセの音づかいが特徴的なアーバンメロウな2曲("Crazy"と"Locked Up In Your Love")がアルバムの"顔"となっている。スローも素晴らしく、シンプルなピアノが美しいForever By Your Sideは思い入れのある一曲。続くJust The Lonely Talking Againは、人気ソングライターSam Deesの作曲で、Whitney Houstonも後にカバーした、ゆったり浸れる名曲。
Friday, December 6, 2024
Boyz II Men - Cooleyhighharmony (1991)
90年代R&Bシーンを席巻したグループBoyz II Menの華々しいデビュー作。1曲目のEnd Of The Roadは、Billboard Hot 100チャートで13週連続1位を記録した大名曲。情感豊かなバラードで、彼らの持つ圧倒的なボーカルハーモニーと表現力が際立つ、90年代のR&Bの象徴とも言える楽曲。ソウルグループThe Spinnersが74年に発表した名バラードLove Don't Love Nobodyを原曲としており、こちらもシンプルなピアノとストリングスが織りなす優美さが心に染み入る一曲。私の大好きなThe Manhattansのライブ盤Live In South Africaでも、この2曲が続けて演奏される流れと盛り上がりが最高によかった(こちら)。
Saturday, November 30, 2024
Troop - Attitude (1989)
80年代後期NJSの定番アルバム。NJSのアップ物はあまり好んで聴かないのだが、アルバムに含まれるスローナンバーは独特の空気感をもった良質なものが多い。US R&BチャートNo.1となった6曲目のAll I Do Is Think Of YouはThe Jackson 5のカバー曲。70年代甘茶ソウル風のスウィート・マナーに則りつつも、スムーズなサウンドに合わせて、Troop流の滑らかさと情感豊かなボーカルが光る。
Tuesday, November 26, 2024
The Temptations - To Be Continued... (1986)
洗練された80年代のサウンド・プロダクションと伝統的なボーカルスタイルの融合を図った、ソウルの名門グループの86年の作品。特筆すべきは、リードのAli Ollie Woodsonによるハスキーであり滑らかな深みのあるボーカル。1曲目のLady Soulは愛する女性への感謝を綴ったバラードで、コーラスを聞いてとても温かい気持ちになれる一曲(ちなみにタイトルにある"soul"は親しみの対象としての「人」を意味する)。7曲目のMore Love, Your Loveは、ファルセット・テナーのRon Tysonがリードを取る貴重なナンバーで、スウィートなボーカルと温かみのあるコーラスが素敵な一曲。
Sunday, November 24, 2024
The Controllers - Stay (1986)
80年代のソウルアルバムでこの名前を見つけたら間違いのない、Beau Huggins率いるハッシュ・プロダクションのプロデュースによる名盤。いかにも80年代NYサウンドらしいバックトラックに乗せた、本家顔負けなくらいスウィート&メロウなMarvin GayeのカバーDistant Loverに始まり、Barry Eastmondによるミディアム・メロウのStayへと続く流れが最高。ハイライトは、抜群のメロウ・フローターMy Secret Fantasy。何度聴いても飽きのこない一曲。
Wednesday, November 20, 2024
Whitney Houston - Same (1985)
80年代ブラック・コンテンポラリー・サウンドの1つの象徴となったアルバム。その歌唱力は圧倒的ながら、ソウルっぽさを前面に出さずクリアで親しみやすい歌声とモデルのようなルックスを押し出し、"全米の恋人"として瞬く間にWhitney Houstonを新たな時代のスターにした。ポップス寄りの曲が多い中、KashifとLa Laがプロデュースした1、2曲目のブラコン感覚は最高に格好良い。また、全米1位を獲得した4曲目、Saving All My Love For Youの、力強さと繊細さが絶妙に組み合わさった情感豊かな歌唱は見事としか言いようがない。
Saturday, November 16, 2024
Al Jarreau - Jarreau (1983)
グラミー賞をジャズ、ポップ、R&Bの3部門で受賞した数少ないアーティストの1人、Al Jarreauのアルバムの中でも人気の高いJay GraydonプロデュースによるAOR三部作の1つ。本作からヒットした1曲目のMornin'は、David FosterとJay GraydonによるAORの人気曲。イントロから軽やかに弾むギター・リフの元になったのは、Jay Graydonが82年にDionne Warwickに書いたFor Youという曲で、David Fosterがそれを曲に仕上げたのだそう。前年にDavid Fosterが参加したマイケルのThe Girl Is Mineにも似ている。5曲目のStep By Stepも、小気味良いハイハットの刻みがアルの畳みかけるようなボーカルを引き立てる名曲。どちらの曲も、リズムの芯がはっきりしたタイトなドラムプレイが生み出すグルーヴ感はJeff Porcaroによるもの。
Sunday, November 10, 2024
Brian McKnight - Same (1992)
90年代~現行R&Bを代表するスムーズ系シンガー、Brian McKnightの音楽キャリアの出発点となったデビュー作。デビューシングルとなったThe Way Love Goesは、80年代ブラコン・サウンドの系譜を引きながらも、新鮮な風を感じさせる一曲。Brian McKnight得意のウィスパーボイスの滑らかさが際立つバラードのOne Last Cryも素晴らしい。そしてそこから彼自身がピアノを弾くNever Felt This Wayへの流れで、彼が書くメロディの美しさに酔いしれる。秋の夜長にリラックスして聴きたい一枚。
Friday, November 8, 2024
Quincy Jones - The Dude (1981)
音楽界のレジェンドの一人、Quincy Jonesが逝去した。Michael JacksonのOff The WallやThrillerはもちろん、We Are The Worldのプロデューサー兼指揮者として名だたるスター達をまとめ上げた人望の厚さが印象深い。このアルバムは81年の代表作。3曲目のJust Onceは忘れられない名曲で、作曲はNYブリル・ビルディングの一流ソングライターコンビBarry Mann/Cynthia Weilが担当し、深みのある甘美なボーカルはJames Ingram。さらに、ピアノで招いているのは(なんと)David Foster。ピアノイントロを聴くだけで胸が熱くなるほどの美しいバラード。しなやかにうねるベースラインのグルーヴが気持ちいいBetcha' Wouldn't Hurt MeはStevie Wonderの作曲。
Saturday, November 2, 2024
David Foster - The Symphony Sessions (1987)
このブログでも過去に紹介した多数のヒット曲やアルバムのプロデュースですでに成功を収めていたDavid Fosterの作曲やアレンジの手腕が随所に光る87年作の名盤。躍動感溢れる6曲目のWinter Gamesは、'88年カルガリー冬季オリンピックの公式テーマ曲。また、静寂の中に浮かぶような音の余韻が心に沁み入るConscienceは、人の良心や葛藤を表現するような抒情的な楽曲。そしてもう一つのお気に入りは、Water Fountain。映画The Secret of My Successの中で、水飲み場で恋に落ちる印象的な場面(こちら)での挿入曲。光がきらめくようなDavid Fosterのピアノアレンジが、マンハッタンの夕暮れシーンにもぴったり。